生命保険を選ぶ際、「保険料が安いから」「特約が多いから」といった単一の観点で決めてしまうと、必要なときに「使えない」「足りなかった」と後悔することになりかねません。
ここでは、保険料・保障内容・特約の3つの要素について、それぞれの意味と重視すべきポイントを詳しく見ていきます。
目次
保険料:無理なく払えることが最優先
生命保険を選ぶ際、「保障内容が手厚いから」といって保険料の高さを軽視すると、後に家計が圧迫されて継続が難しくなる可能性があります。
どんなに保障が良くても、支払いが続かなければ意味がなくなるため、「保険料は無理なく払えること」がもっとも重要な基本方針になります。
【なぜ保険料が最優先なのか】
- 生命保険は長期契約
- 通常、10年・20年・終身といったスパンで加入するため、一時的に無理をして加入すると継続できずに途中解約になる恐れがある
- 途中解約は「保険がない状態になる」または「払い損になる」というリスクがある
- 家計への影響が積み重なる
- 毎月の支出に含まれる保険料は、年単位で見ると数十万円にもなる
- 子育て、住宅ローン、老後資金などと合わせて家計全体を考慮する必要がある
- 保険料を優先しすぎると必要な保障が不足する危険も
- 「安さ」だけを追求すると、保障内容が不十分になり、いざという時に保険が役に立たない
- 保険料と保障内容の「コストパフォーマンス」の見極めが必要
【理想的な保険料の考え方】
- 一般的に、保険料の目安は月収の5〜7%以内が妥当とされている
- 年齢が若いほど安く契約できるため、早めの加入は長期的に有利
- ライフステージ(独身・結婚・子育て・老後)に応じて保険料を調整する
【保険料を抑えるための工夫】
-
必要な保障だけに絞る
- 「必要最小限の死亡保障」+「医療保障」は、バランスよくカバーできる基本設計
-
掛け捨て型と貯蓄型の組み合わせ
- 若年期は掛け捨てで安く保障を確保し、余裕が出たら貯蓄型に切り替える方法も
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定期型と終身型の使い分け
- 教育費や住宅ローン期間中は「定期型」、老後の備えには「終身型」を使い分けるとコスト調整しやすい
-
見直しを前提にする
- 保険は「一生モノ」ではなく、「定期的な見直し」が前提。ライフステージに合わせて保険料と保障を更新する
保障内容:自分に必要な備えが入っているか
生命保険の本来の目的は、「万が一のときに経済的に困らないように備えること」です。
そのため、保障内容は自分自身や家族の生活に本当に必要な保障が過不足なく含まれていることが最も重要です。
ただ保険料が安いから、提案されたから、という理由だけで契約してしまうと、実際に必要な保障が足りない、または無駄な保障がついていたという事態になりかねません。
【保障内容とは?】
保障内容とは、万が一の事態(死亡・病気・障害・就業不能など)が発生したときに、「どのような条件で」「いくらの保険金が支払われるか」を定めた契約内容のことです。
例:
- 死亡保障:死亡したときに遺族に支払われる
- 入院保障:入院1日あたりいくら支給されるか
- 手術保障:どの手術に対していくら支払われるか
- 三大疾病保障:がん・心筋梗塞・脳卒中になったときに給付される一時金 など
【なぜ「自分に必要な備え」が大事なのか】
- リスクは人によって異なる
- 子どもがいるかいないか、既婚か独身か、高齢者か若年かで必要な保障は全く異なります。
- 例えば独身の若者に多額の死亡保障は必要ないが、入院や就業不能保障は重要です。
- 保障の過不足が家計に影響する
- 過剰な保障は保険料の無駄につながる
- 不足していると、いざという時に保険金が足りず生活に困る
- 公的保障との重複を避けるため
- 例えば「高額療養費制度」や「傷病手当金」があることを知らずに、同様の内容で民間保険に二重加入してしまうケースも
【自分に必要な保障を見極めるポイント】
- ライフステージの確認
- 独身:医療・就業不能保障中心
- 結婚・子育て:死亡保障(遺族の生活費、教育資金)を重視
- 中高年・老後:医療・介護保障にシフト
- 収入と支出の確認
- 収入源が自分だけなら、万が一に備えて収入補填型保障(収入保障保険など)が有効
- 教育費・住宅ローンなど大きな支出予定がある場合、それに見合う保障を用意する
- 公的制度の内容を把握する
- 健康保険、高額療養費制度、遺族年金などを把握し、不足分だけを保険で補う
【注意点】
- 保障が「多ければ多いほど良い」という考え方はNG
- 「一時金型か、日額支給型か」「終身型か定期型か」など給付方法や期間も大事な要素
- 加入時は必要だと思っても、数年後には不要になる保障もあるため、見直しも重要
特約:あくまで“補足”であることを意識
生命保険や医療保険に加入する際、「○○特約付き」「△△をカバーする追加保障」といった言葉を目にすることが多いと思います。
これらの特約は一見便利で魅力的ですが、実は本来の保険の目的である「主契約」を補うためのものであり、特約ばかりに目を奪われると本末転倒になることがあります。
ここでは、特約の役割と注意点をわかりやすくご紹介します。
【特約とは?】
- 保険の主契約に「オプション」として追加できる保障内容
- 例:
- がん特約:がんと診断されたときの一時金や入院保障
- 通院特約:退院後の通院に対する給付金
- 先進医療特約:高額な自由診療(陽子線、重粒子線など)の費用を保障
- 三大疾病特約:がん・心筋梗塞・脳卒中をカバー
- 配偶者・子ども特約:家族も一緒に保障対象にする
【特約のメリット】
-
必要な保障を柔軟に追加できる
- 自分のリスクに合わせてカスタマイズ可能(がん家系ならがん特約を追加するなど)
-
主契約に付帯することで一括管理ができる
- 契約内容や保険料の引き落としが一本化でき、管理がしやすい
-
単独契約より割安な場合がある
- 通常、特約は主契約と一緒に契約することで保険料が抑えられることが多い
【なぜ“補足”であることを意識すべきか】
-
主契約が保障の“核”である
- 万が一の死亡や長期入院など、大きな経済的リスクに対する備えが主契約の役割
- 特約にばかり目がいくと、主契約が不十分な状態で契約してしまうことがある
-
特約の保険料が積み重なると高額になる
- 個々の特約は数百円でも、複数付けると保険料が大きく跳ね上がる
- 「必要かどうか」を精査せずに付けると、コストパフォーマンスが悪化
-
途中で特約だけ解約できない場合がある
- 一部の保険では、主契約を解約すると特約も一括で終了となる
- 将来的に不要になっても、柔軟に変更できない場合がある
-
保障期間が主契約と連動することが多い
- 主契約が10年満期であれば、特約も同じ期間しか保障されないことが多い
- 必要な保障が途中で切れてしまうことも
【特約を選ぶときのチェックポイント】
- 本当に自分のリスクに必要か?
- 保険料に見合った価値があるか?
- 単独の保険として加入した方がコスパが良くないか?
- 主契約の内容と保障期間に対して過不足はないか?
何を重視すべきか?
生命保険を選ぶとき、「保険料が安い方がいい」「保障が手厚い方が安心」「特約が多い方がお得」など、さまざまな視点があります。
しかし、すべてを重視すると保険料が高くなりすぎたり、逆に必要な保障が漏れてしまうことも。
そこで、自分にとって「何を重視すべきか」を明確にすることが、後悔しない保険選びの第一歩です。
【1. 保険料を重視すべき人】
特徴
- 収入が限られている(若年層、単身世帯など)
- 保険料の支払いが家計に大きな影響を与える
- 最低限の保障でいいので、無理のない支出にしたい
- 掛け捨ての定期保険を中心に設計する
- 特約を絞り込み、シンプルな構成にする
- 月額で払える上限額を最初に決めてから設計
【2. 保障内容を重視すべき人】
特徴
- 子どもがいる、住宅ローンがあるなど、守るべき家族がいる
- 病気や事故による収入減に備えたい
- 万が一のときに遺族に十分な保障を残したい
- 必要な保障額を算出し、それに基づいて保険を選ぶ
- 死亡保障だけでなく、就業不能・医療・がんなどリスクごとに設計
- 保険料が多少高くても、「本当に必要なときに支払われる」設計を優先
【3. 特約を重視すべき人】
特徴
- がん家系、持病があるなど、特定のリスクに不安がある
- 通院・先進医療・入院日額など、より細かい保障が欲しい
- 単独加入ではなく一括管理で保障を整えたい
重視ポイント
- 主契約に必要な保障がある前提で、特約を合理的に追加する
- すべての特約を付けるのではなく、自分のリスクに絞って選ぶ
- 同じ内容の特約が医療保険など別の保険と重複していないか確認
【4. 状況別に優先順位をつける】
状況 | 重視すべき項目 |
---|---|
独身・20〜30代 | 保険料:最低限の備えをコスパ重視で |
子育て世帯 | 保障内容:万が一に備え、必要な額を確保 |
がん家系・持病あり | 特約:リスクに応じた特約設計が重要 |
高齢者・退職後 | 保険料と保障のバランスを再設計(必要なら見直し) |
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