「保険に入らないと不安だけど、そもそも保険ってなに?」
「みんな当たり前に使ってるけど、実はよく分かってない……」
そんな声は意外と多くあります。この記事では、今さら聞けない「保険の基本」について、生命保険を中心に、仕組みや役割、種類まで丁寧に解説します。保険選びの第一歩として、ぜひご活用ください。
保険とは?簡単に言うと
「保険って何?」と聞かれると、なんとなく「困ったときにお金がもらえる仕組み」というイメージはあるかもしれません。
でも、どうやって成り立っているのか、どんな種類があるのか、実はよくわからないという方も多いのではないでしょうか?ここでは、保険の“本質”をやさしく説明します。
【保険とは?簡単に言うと】
「みんなでお金を出し合い、困った人を助ける“相互扶助”の仕組み」です。
もっと噛み砕いて言うと:
- 「もしものときに困るのは、自分ひとりでは大きすぎる出費」
- でも、そんな大きな出費は「いつ起こるかわからない」
- だから、**「多くの人が毎月少しずつお金を出しておき、困った人に必要なときにそのお金を回す」**という考え方です
この“助け合いの仕組み”を、保険会社が商品として仕組化したものが「保険」です。
【例え話で理解する:焼き鳥屋のたとえ】
あなたが町の焼き鳥屋を経営しているとしましょう。ある日、火事になってお店が全焼してしまったら、再建に1,000万円かかります。でも、1,000万円を急に用意するのは難しい。
そこで、町の100人の焼き鳥屋が「自分の店が燃えたときのために、毎月1万円ずつ積み立てよう」と保険を作りました。
もし誰かの店が火事で燃えたら、100人分の積立から1,000万円が支払われる。つまり、「100人が1万円出せば、誰か1人を1,000万円分助けられる」。これが保険の原理です。
【保険が必要な理由】
保険は、次のような「想定外の出費」から家計を守るために存在します。
- 病気やケガの医療費
- 家族の生活費(万が一の死亡時)
- 高齢になって介護が必要になったときの費用
- 車や家の損害、災害時の修理費
これらの出費は、起こるかどうかはわからないが、起きたときの負担が非常に大きいため、保険で備えておくのです。
【保険の構造:簡単な3要素】
- 保険料:毎月支払う「参加費」のようなもの
- 保障内容:「どんなときに」「いくら受け取れるか」
- 保険金:実際に困ったときに支払われるお金
なぜ保険が必要なの?
「貯金があるから保険は不要じゃない?」「保険料がもったいない気がする……」そんな疑問を抱く人は少なくありません。
すが、保険には“貯金では対応しきれないリスク”をカバーするという大きな役割があります。ここでは、保険がなぜ必要とされるのか、その本質をわかりやすくご説明します。
【1. いつ起こるかわからないリスクに備えるため】
人生には、自分ではコントロールできない出来事がたくさんあります。
- 病気やケガで入院する
- 家族の大黒柱が亡くなる
- 要介護状態になる
- 台風や火災で家が壊れる など
これらは「低確率だけど発生すれば非常に大きな経済的ダメージ」です。
保険は、こうしたリスクに対して事前に備えておく「経済的セーフティネット」です。
【2. 貯金だけではまかないきれない費用がある】
たとえば…
- がん治療の先進医療費:300万円以上かかる場合も
- 住宅ローン返済残高:2,000万円以上ある家庭も
- 死亡後の教育費+生活費:1,000万円〜2,000万円必要になることも
これだけの金額を、すべて貯金だけで賄うのは現実的ではありません。
保険は少ない費用で「大きな保障」を得られる“レバレッジ効果”があるのです。
【3. 家族を守るため】
- 一家の収入源が死亡・働けない状態になったとき、家族は生活を維持できるか?
- 子どもの教育費や住宅ローンの支払いは続けられるか?
こうした“家族の未来”を守るという観点でも、保険は大きな役割を果たします。
【4. 老後の介護や医療への不安に備えるため】
- 高齢化社会では「いつか介護が必要になる」可能性が非常に高い
- 公的介護保険や年金だけでは足りない部分を、民間の保険でカバーする
→ 将来の安心を今から準備するという意味でも、保険の役割は大きいです。
【5. 心の安心につながる】
保険に加入することで、万が一のときの備えがあるという心理的な安心感が得られます。
- 生活の見通しが立ちやすくなる
- 不安が減り、日々の暮らしが前向きになる
- 家族の将来に備えているという満足感
これらの効果は、「実際に保険を使わなかったとしても価値がある」と言えるでしょう。
保険の基本構造
「保険ってなんとなく難しそう…」「保険料って何に使われてるの?」と感じる方は多いでしょう。
でも、保険の仕組み自体はとてもシンプルです。ここでは、保険の基本構造を4つの要素に分けて、わかりやすくご説明します。
【1. 保険料(ほけんりょう)】
定義:
加入者が毎月または年に一度支払うお金のこと。保険会社はこの保険料をもとに、保障の原資を作ります。
特徴:
- 支払額は、年齢・性別・保障内容・保険期間などによって変わる
- 一般的には若いうちに加入した方が保険料は安くなります
- 保険料は保障の対価であり、「安心を買っている」とも言えます
【2. 保険金(ほけんきん)】
定義:
万が一の事態(死亡、入院、手術、要介護など)が発生したときに、保険会社から支払われるお金。
種類:
- 死亡保険金:死亡したときに遺族に支払われる
- 入院給付金:入院したときに日額いくらという形で支払われる
- 手術給付金:所定の手術を受けた場合に支払われる
- 介護給付金:要介護状態になったときに支払われる(年金型・一時金型あり)
【3. 保障内容(ほしょうないよう)】
定義:
「どんなときに」「いくらの」「保険金が支払われるか」という契約内容のこと。
主な構成:
- 主契約:保険の中心部分(例:死亡保障、介護保障など)
- 特約:追加で保障を広げる部分(例:がん特約、先進医療特約など)
- 給付条件:支払われるための条件(要介護2以上、入院日数が何日以上など)
- 保険選びで最も重要なのがこの「保障内容」
- 自分に必要なリスクに対して、保障が十分かつ過剰でないかを見極めることが大切
【4. 保険期間と払込期間】
保険期間:
- 保障が続く期間(例:10年、60歳まで、一生涯など)
払込期間:
- 保険料の支払いが続く期間(保障期間と同じとは限らない)
タイプ | 特徴 |
---|---|
定期型保険 | 一定期間のみ保障、保険料は安め |
終身型保険 | 一生涯保障、保険料は高め |
有期払込 | 60歳・65歳までなど、老後は支払い不要 |
終身払込 | 亡くなるまで支払うが月額は抑えめ |
【5. 契約者・被保険者・受取人の違い】
- 契約者:保険契約を結んで保険料を払う人
- 被保険者:保障の対象となる人(例:夫が亡くなったときの保障なら夫)
- 受取人:保険金を実際に受け取る人(例:配偶者や子ども)
→ 家族間で契約者と被保険者が異なる場合は、相続や贈与の観点でも注意が必要です。
生命保険と損害保険の違い
保険には「生命保険」と「損害保険」があり、どちらも“万が一に備える”という点では同じですが、実はまったく異なる考え方と目的で作られています。
混同しやすいこの2つの違いをしっかり理解することで、より効果的に保険を活用できるようになります。
【生命保険とは】
定義:
人の“生命”や“健康”に関するリスク(死亡、病気、ケガ、介護など)に備える保険
目的:
- 死亡や就業不能時の遺族の生活支援
- 入院や手術など医療費の補填
- 将来の老後資金や介護費用への備え
主な種類:
- 死亡保険(定期保険・終身保険)
- 医療保険
- がん保険
- 収入保障保険
- 介護保険
- 学資保険・年金保険(貯蓄型)
支払われる条件:
- 被保険者が死亡した、または病気・けが・要介護などになった場合に保険金が支払われる
【損害保険とは】
定義:
人の“財産”や“法律上の賠償責任”などの損害を補償する保険
目的:
- 車の事故、火災、盗難、自然災害などによる損害を金銭的に補う
- 第三者に損害を与えた場合の賠償責任をカバーする
主な種類:
- 自動車保険
- 火災保険
- 地震保険
- 旅行保険(海外・国内)
- 個人賠償責任保険
- ペット保険
支払われる条件:
- 契約した財産や行動に損害や事故が生じた場合に実際の損害額が補償される
【生命保険と損害保険の主な違い】
比較項目 | 生命保険 | 損害保険 |
---|---|---|
保険の対象 | 人の生命・身体・健康 | 財産・法律上の責任 |
給付金の支払形式 | あらかじめ決められた定額支払い | 実際に生じた損害に基づく実費補償 |
加入期間 | 長期間(10年〜終身が多い) | 短期間(1年更新が基本) |
支払回数 | 1回きりの給付が多い(死亡保険など) | 繰り返し使える(事故が起きるたびに支払われる) |
貯蓄性 | あり(終身保険、年金保険など) | 基本的になし(掛け捨て) |
代表的な使い方 | 遺族の生活費、医療・がん治療費、老後の備え | 車・家の修理費、他人への損害賠償、旅行中の事故 |
【どちらも必要?】
→ はい、必要です。なぜなら「対象となるリスクがまったく異なる」からです。
- 生命保険
人間の生活・家族の将来に関わるリスク(例:自分が亡くなったときに遺族が困る) - 損害保険
事故や災害による予期せぬ支出(例:車の事故、家の火災、旅行中のケガなど)
保険は「人生のリスクに備える総合パッケージ」として、両方を上手に組み合わせることが重要です。
生命保険の種類
生命保険とひと口に言っても、その種類は多岐にわたります。「どれが自分に必要なの?」「似ているようで何が違うの?」と迷う方も多いでしょう。
ここでは、生命保険の主要な種類を目的別にわかりやすくご紹介します。
【1. 定期保険(死亡保険)】
特徴:
- 一定期間(例:10年、60歳までなど)だけ保障される
- 死亡または高度障害になった場合に一定の保険金が支払われる
- 保険料は安いが、貯蓄性なし(掛け捨て)
向いている人:
- 子育て中で、一時的に高額な死亡保障が必要な人
- 住宅ローン返済中など、特定の期間に経済的責任がある人
【2. 終身保険(死亡保険)】
特徴:
- 一生涯の死亡保障が続く
- 保険料は高めだが、解約時にお金が戻ることもあり、貯蓄性がある
- 相続対策や葬儀費用の準備にも適している
向いている人:
- 葬儀費用・相続税対策・お墓の準備を考えている人
- 万が一のときに、必ず遺族にお金を残したい人
【3. 収入保障保険】
特徴:
- 被保険者が死亡・高度障害になった場合に、月々一定額が支払われる
- 給付は“給与の代わり”のようなイメージ
- 年数が経過するほど総額は減るが、保険料は割安
向いている人:
- 家族の生活費を安定して残したい人
- 毎月の支出をカバーしたい世帯持ち・子育て世代
【4. 医療保険】
特徴:
- 入院・手術など、病気やケガに備える
- 入院日額○千円、手術一時金○万円という支給スタイル
- 通院や先進医療、三大疾病特約などが追加できる
向いている人:
- 医療費の負担を軽減したい人
- 入院による収入減への備えが必要な自営業者など
【5. がん保険】
特徴:
- がんと診断されたときに給付金が支払われる
- 入院・手術よりも診断一時金型が主流
- 通院・先進医療・再発保障などの特約も豊富
向いている人:
- がん家系の人、がんのリスクを重視したい人
- 高額医療費に備えたい人
【6. 就業不能保険(所得補償保険)】
特徴:
- 病気やケガで働けなくなったときに毎月収入を補償する
- 長期入院やうつ病など、就労困難な状態でも給付
向いている人:
- 自営業・フリーランス・一馬力の家庭
- 病気で収入が止まると困る人
【7. 介護保険・介護特約】
特徴:
- 要介護状態になったときに、一時金または年金形式で給付
- 公的介護保険の不足を補う目的
向いている人:
- 老後の備えとして早めに介護費用を準備したい人
- 高齢の親の介護を見て自分も心配な人
【8. 学資保険・年金保険(貯蓄型)】
特徴:
- 子どもの教育資金や老後資金を目的にした貯蓄保険
- 契約満了時にお金が戻る設計
- 契約者が死亡すると保険料の支払いが免除されることも
向いている人:
- 子どもの進学費用を計画的に準備したい人
- 安定的に老後の年金を補いたい人
保険と貯金の違い
「保険よりも貯金をした方が安心」「貯金があるから保険は不要」と考える方もいますが、保険と貯金は似ているようでまったく違う性質を持っています。
それぞれの特徴を理解して、あなたの生活に合った資金準備をしましょう。
【1. 基本的な違い】
項目 | 保険 | 貯金 |
---|---|---|
目的 | 万が一の“予期せぬリスク”に備える | 将来の“予定された出費”に備える |
資金の使い方 | 保険事故(死亡・病気・介護など)の時だけ | いつでも自由に使える |
お金の性質 | 困ったときの補償 | 自分の資産 |
発動条件 | 契約条件を満たした場合のみ | いつでも好きなときに使える |
【2. 保険の特徴】
- 保険料は掛け捨てが多く、戻らない場合もある
- 少ない保険料で大きなリスクに備えられる(レバレッジ効果)
- 保険金を受け取るには保険事故(死亡・入院など)という“条件”が必要
- 「使わないまま終わる」こともあるが、“備えたこと”に意味がある
【3. 貯金の特徴】
- 貯めた分だけが使える(元本保証)
- 使い道は自由:旅行、教育費、住宅、老後資金など
- 時間をかけてコツコツ増やす必要がある(即効性はない)
- 一度に大きな金額が必要な場面(例:事故での入院など)には対応しにくい
【4. 具体例で見る違い】
例1:がんの治療費300万円が必要になった場合
- 保険あり:がん保険に入っていれば、診断一時金などで300万円の保険金をすぐに受け取れる
- 貯金のみ:300万円を用意できないと治療の選択肢が限られる場合も
例2:老後の生活費に備える
- 保険:年金保険や終身保険を活用すれば、老後の生活費として計画的に受け取れる
- 貯金:自由に使えるが、長生きするほど「資金が足りるか」の不安も
【5. 併用が理想的】
ニーズ | 適している手段 |
---|---|
“もしも”のための備え | 保険 |
“いつか使う”お金 | 貯金 |
→ 貯金は予定された未来のため、保険は予期せぬ未来のために使い分けることが重要です。
保険に入るときの3つの基本
⓽8命保険に入るとき、「何となく不安だから」「営業に勧められたから」では、本当に自分に必要な保障になっているとは限りません。
保険は“備え”であると同時に“家計の固定支出”でもあります。後悔しない選択のために、まず押さえるべき3つの基本をしっかり理解しましょう。
【1. 何に備えたいのかを明確にする】
保険の目的をはっきりさせることで、「必要な保険の種類」が明確になります。
主な目的と該当する保険:
- 家族の生活費を守りたい → 死亡保険、収入保障保険
- 病気やケガによる入院費用に備えたい → 医療保険、がん保険
- 働けなくなるリスクに備えたい → 就業不能保険、介護保険
- 老後の生活資金を準備したい → 年金保険、終身保険
- 子どもの教育資金を貯めたい → 学資保険
補足:
目的がはっきりすれば、「何にいくらの保障が必要か」「どんな給付形式が合うか」も判断しやすくなります。
【2. いくら必要なのかを見積もる】
「なんとなく多く備えれば安心」ではなく、実際に必要な金額を計算して決めることが大切です。
目安例:
- 子育て世帯の死亡保障:3,000万~5,000万円(遺族年金+必要な生活費から算出)
- 医療費の備え:1回の入院で20万〜50万円が平均的(入院日数や治療内容による)
- 介護にかかる費用:約500万円(平均介護期間約5年 × 月額8万円)
補足:
「公的保障でどこまでカバーできるか(遺族年金・高額療養費など)」を調べた上で、不足分を民間保険で補う考え方が効率的です。
【3. 月々いくらまでなら無理なく払えるかを決める】
保障が手厚すぎると、毎月の保険料が高額になり、家計を圧迫するリスクがあります。
一般的な目安:
- 月収の5〜7%以内が適正範囲(例:月収30万円 → 保険料1.5〜2万円)
補足:
- 「定期型」や「収入保障型」なら、保障を確保しつつ保険料を抑えることが可能
- 若いうちは掛け捨てで安く備え、必要に応じて貯蓄型保険を追加する設計も有効
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