「特約って必要?」不要なオプションを見極める方法

「特約って必要?」不要なオプションを見極める方法

生命保険に付けられる「特約(とくやく)」は、基本保障に加えて特定のリスクに備えるオプション機能です。

一見すると「つけておいた方が安心」と思いがちですが、必要以上に特約を付けると保険料が大幅に上がり、家計に負担がかかることもあります。

ここでは、「特約は本当に必要か?」という疑問に答えるために、見極め方をわかりやすく解説します。

1. 特約とは何か?

特約とは、生命保険や医療保険の「主契約」に追加してつけることができる補足保障のことです。保障内容を自由にカスタマイズできる一方で、不要な特約をつけると無駄な出費になります。

2. 主な特約の種類と特徴

特約名 内容 必要性の目安
災害死亡特約 事故・災害で亡くなった場合に追加保障 通常の死亡保険でカバーされるなら不要
入院特約 入院時に1日いくらか支給 入院保障が主契約にない場合は検討価値あり
手術特約 手術を受けた際に給付金 医療保険に含まれていることが多い
通院特約 通院時の費用保障 実際の通院費用と比較し、必要性を判断
がん特約 がんと診断されたときに一時金等 がん家系・心配がある人は検討価値あり
三大疾病特約 がん・心筋梗塞・脳卒中に対応 保障範囲・支給条件をよく確認すること
介護特約 要介護認定時に一時金・年金支給 老後の備えに有効だが早期契約は慎重に
保険料払込免除特約 病気等で働けなくなったときの保険料が免除される 収入リスクに備えられる有用な特約

【特約を見極める3つのポイント】

公的保障で代替できるか?

→ 医療費は「高額療養費制度」で一定額を超えた部分は払い戻されるため、過剰な医療保障は不要になることも。

ライフスタイルに本当に合っているか?

→ たとえば、通院しにくい環境や子どもがいない家庭では、通院・家族保障の特約はあまり意味がないことも。

加入中の他の保険と重複していないか?

→ 医療保険とがん保険、収入保障保険など、似た保障が複数ついているケースも多く、整理が必要。

3. 特約はあとで外せる?

多くの保険では契約更新時に特約の見直しや解除が可能です。ただし、「定期付き終身保険」のように更新時に特約が消滅するものや、後から再度追加できない特約もあるため、契約時に確認することが重要です。

4. 実際にありがちな「不要な特約」の例

  • 災害死亡特約:事故死の確率は非常に低いため、通常の死亡保障で十分な場合が多い
  • 通院特約:通院費用は少額にとどまることが多く、給付金額に見合わない
  • 更新型の高額な医療特約:年齢とともに保険料が上がるため、老後に負担が増す

公的保障で代替できるか?

生命保険に加入する前に、まず知っておきたいのが「公的保障(こうてきほしょう)」の内容です。

日本には、国が提供する保険制度や給付制度が充実しており、これを活用すれば民間保険に頼りすぎなくても良いケースが多々あります。

以下では、公的保障の主な種類と、それによって生命保険の特約や保障をどの程度省略できるかを具体的に解説します。

主な公的保障制度とその内容

① 高額療養費制度(健康保険)

病気やケガで高額な医療費がかかっても、自己負担額には上限があります。たとえば、年収約500万円の人が1か月で100万円の医療費を使った場合、実際に自己負担するのは約8万円程度です。

  • 対象:全国民(健康保険加入者)
  • 利用例:がん手術、長期入院など
  • 特約で代替しやすいもの:入院・手術特約 → 最低限に

② 傷病手当金(健康保険)

病気やケガで働けなくなった場合、**給与の約2/3(最大1年6か月)**が支給されます。

  • 対象:会社員、公務員
  • 利用例:長期の療養休職
  • 特約で代替しやすいもの:収入保障保険 → 短期なら公的でカバー可

③ 労災保険(労働災害補償保険)

業務中や通勤中のケガ・病気に対して補償があります。医療費は全額補償され、休業補償もあります。

  • 対象:すべての雇用者(パート含む)
  • 特約で代替しやすいもの:災害死亡特約 → 重複の可能性大

④ 遺族年金(国民年金・厚生年金)

扶養する家族がいる人が亡くなった場合、遺族に年金が支給されます。

  • 対象:子のある配偶者、18歳未満の子など
  • 支給額例:子1人なら月10万円前後(厚生年金の場合)
  • 特約で代替しやすいもの:死亡保障 → 金額に応じて再計算すべき

⑤ 障害年金(国民年金・厚生年金)

重い障害が残った場合、障害の程度に応じて一生涯の年金が支給されます。

  • 対象:障害等級1〜2級(厚生年金では3級も)
  • 年額:約100〜200万円(障害等級・加入歴により変動)
  • 特約で代替しやすいもの:障害保障特約 → 内容確認して調整可

公的保障を前提に保険を組むメリット

  • 無駄な保険料を削減できる
  • 最低限の保障に絞って「掛け捨て型」でコストダウン
  • 保障をシンプルにし、見直しがしやすくなる

【注意が必要なポイント】

  • 自営業・フリーランスは公的保障が薄い(傷病手当金がないなど)
  • 遺族年金の支給条件には「子どもの年齢」や「配偶者の年齢」が影響
  • 高額療養費制度は月単位の制度のため、複数月にまたがる入院には対応しきれないことも

ライフスタイルに本当に合っているか?

生命保険やその「特約(オプション)」を選ぶとき、自分や家族のライフスタイルに合っているかどうかを見極めることは非常に重要です。

必要以上の保障をつけると保険料が無駄になりますし、逆に足りないと本当に困ったときに助けになりません

ここでは、「ライフスタイルに合った保障の見極め方」について具体的に解説します。

1. ライフステージに応じた考え方

ライフステージ 保険で考慮すべき点
独身(20〜30代) 高額な死亡保障は不要。医療・就業不能リスクに備える。
結婚・共働き 配偶者がいるなら生活費の補償を検討。夫婦で収入がある場合は個別に調整。
出産・育児期 子どもの教育費・生活費を重視し、死亡・収入保障が重要に。
マイホーム購入 ローンの有無に応じて保障の見直し。団信加入有無の確認も。
子どもの独立後(50代以降) 死亡保障を減らし、医療・介護重視へシフト。

2. ライフスタイルに合わせた「必要・不要な特約」の例

【例1】都市部 vs 地方

  • 都市部在住:通院や入院がしやすい、医療施設が近くにある → 長期入院保障はあまり重視しなくても良い場合あり
  • 地方在住:入院期間が長引く傾向、通院の負担が大きい → 入院・通院特約を検討

【例2】自営業 vs 会社員

  • 自営業:公的保障が薄い(傷病手当金なし) → 収入保障特約や就業不能保障が必要
  • 会社員:一定の収入補償がある → 追加保障は必要最低限で

【例3】健康志向 vs 持病あり

  • 健康志向で病歴なし:医療保障はシンプルでよい。保険料も安く済む。
  • 持病あり:医療特約・がん特約など手厚くしておくと安心。引受基準緩和型保険も検討

【例4】育児中 vs シニア層

  • 育児中:子どもの将来を見据えた教育費補填の保障(収入保障型など)
  • シニア層(60代〜):葬儀費用、医療・介護への備えが優先。終身保険や介護特約を重視

3. 「合っていない保障」のありがちな例

  • 子どもがいないのに「教育費特約」が付いている
  • 一人暮らしなのに「家族型医療特約」が付いている
  • 専業主婦に高額な収入保障保険が付いている
  • 自営業なのに収入補填の保険が無い(傷病手当金が無いため)

4. 見直しのタイミング

保険は一度加入したら終わりではなく、ライフスタイルの変化に合わせて定期的な見直しが必要です。

見直しのきっかけ チェックすべき点
結婚・出産 家族の保障内容の追加
住宅購入 団信の有無と保障の重複チェック
転職・独立 公的保障内容の変化による再設計
定年・退職 死亡保障の削減、医療・介護への備え強化

加入中の他の保険と重複していないか?

生命保険や医療保険を選ぶ際に見落としがちなのが、「他の保険と保障が重複していないか?」という視点です。

同じような保障内容を複数の保険で持っていると、保険料が無駄になりやすく、必要以上に家計を圧迫する原因にもなります。

ここでは、保障の重複が起きやすいケースや見直し方法、注意すべきポイントを具体的に解説します。

1. よくある「保障の重複」パターン

① 医療保険の重複

  • 入院給付金が、複数の保険で支払われる設定になっている
    → 同じ期間の入院で、2社からそれぞれ日額1万円支給など
    → 収入以上の保障になっていないか要確認

② がん保険と医療保険の重複

  • 医療保険に「がん特約」があるのに、別に「がん保険」にも加入している
    → 一方だけで十分な保障がある場合、費用が二重になる

③ 死亡保障の重複

  • 終身保険+定期保険+勤務先の団体保険など
    → 合計で死亡時3,000万円以上など過剰な保障になっている可能性

④ 就業不能・収入保障の重複

  • 就業不能保険と、収入保障保険をそれぞれ契約
    → 同じリスク(働けなくなった場合)に備えて二重払いしているケース

⑤ 家族型医療保険と個人加入の医療保険

  • 勤務先の家族向け団体保険に加入しつつ、個人でも医療保険に加入
    → 補償内容が重なっていないか要確認

2. 重複しても良いケースもある?

  • 医療保険の給付金は「実費補填型」ではなく「定額給付型」なので、複数契約しても両方から給付される(ただし保障過多にならないよう注意)
  • がん保険+医療保険は、**給付金の性質が異なる(がん一時金 vs 入院日額)**ため、役割が分かれているなら有効
  • ただし、収入補償系の保険は、過剰な補償があると「本来の就業意欲を妨げる」と保険会社が見なすことも

3. 重複チェックの方法

チェックポイント 確認内容
保険証券や契約書を見直す 保障内容、給付条件、金額を一覧化
保障対象の病気・ケガが被っていないか がん・脳卒中・心筋梗塞など
給付条件が似ていないか 同じ「入院5日以上」などで重複していないか
支給される給付金の上限は? 1回の手術で複数保険から満額支給されるか

重複していたらどうする?

  • 不要な保険は解約、または特約を外すことで保険料を節約
  • 長期間加入していて解約返戻金がある場合は、払い済み保険に変更するなどの選択肢もあり
  • 一方、保障が不足している場合には保障の組み換えや一本化も検討可能

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