医療保険を検討する際、多くの人が迷うのが「がん保険もつけるべきか、それとも医療保険だけで十分か?」という点です。
がんは日本人の死因の上位にあり、治療費も高額になるケースがあるため、適切な保障を持っておくことは重要です。
本記事では、がん保険と医療保険の違いと、どちらがより自分に合っているかを判断するポイントを詳しく解説します。
医療保険のみの特徴
医療保険は、病気やケガによる入院・手術などに備える保険です。がんや生活習慣病を含め、幅広い病気に対応できる「基本の備え」として、最も利用者が多い保険のひとつです。
ここでは、医療保険のみで保障を考える場合の特徴やメリット・注意点を詳しく解説します。
【医療保険のみの主な保障内容】
1. 入院給付金
- 入院1日あたりに給付される金額(例:5,000円/日)
- 入院日数に応じて受け取れる
- 短期入院(5〜10日)の保障に強い
2. 手術給付金
- 手術の種類に応じて、定額または入院給付金日額の倍率で支給
- 健保適用の手術のほとんどが対象
3. 通院給付金(オプション)
- 入院後の通院に対して給付される
- がん・骨折などの通院治療にも対応できる
4. 先進医療特約(オプション)
- 陽子線・重粒子線治療など、公的医療保険外の費用(全額自己負担)を補償
- 多くの医療保険に安価なオプションとして付加可能(月100〜200円程度)
【医療保険のみのメリット】
- 保険料が手頃
月1,000円〜3,000円程度から加入可能。掛け捨て型が主流でコストパフォーマンスが高い - 広範な疾患に対応
がん・心疾患・脳卒中・骨折・感染症など、さまざまな治療に使える汎用性 - シンプルで分かりやすい
「入院・手術」の基本保障に絞っているため、設計が明快 - 保険の入り口として最適
初めて保険に加入する若年層や健康な人にもおすすめ
【医療保険のみの注意点】
- がん特化の保障がない
診断一時金、通院補償、再発時の手厚い保障などは基本的に含まれない - 高額な治療費(自由診療)には対応できない場合も
先進医療特約がないと、高額治療費に備えられない可能性 - 長期治療や再入院に対しては制限がある
支払限度日数(例:60日/120日)を超えると保障されない
【医療保険のみが向いている人】
- 初めて保険に加入する若年層
- 保険料を抑えて最低限の保障を持ちたい方
- がん以外の病気・ケガへの備えを広くカバーしたい方
- 健康体でがんリスクが比較的低い方
がん保険付きの特徴
日本人の2人に1人ががんになる時代。がんは長期にわたる治療や高額な費用がかかることが多く、特化した保障があると安心です。
がん保険はそのような事態に備えるための専門的な保険で、医療保険と組み合わせることでより安心な保障体制を構築できます。ここでは、がん保険付きの特徴やメリットを詳しく解説します。
【1. がん保険の主な保障内容】
1. がん診断一時金
- 初めてがんと診断された時点で一時金(50〜100万円以上)を受け取れる
- 入院・手術の有無にかかわらず給付される
- 使い道が自由(治療費・生活費・転院費用など)
2. がん入院給付金
- 通常の医療保険よりも長期・無制限に支払われるプランもあり
- がんによる再入院にも対応
3. がん通院給付金
- 入院後の通院はもちろん、通院治療のみでも給付される商品も
- 放射線治療、抗がん剤治療、ホルモン治療に対応
4. 治療給付金・抗がん剤治療特約
- 抗がん剤や放射線治療を受けた月に定額の給付金が支払われる
- 長期間にわたる治療でも、月額ベースで支えられる
5. 再発・転移時の追加給付
- 初回診断から一定期間後に再発・転移があった場合、再度一時金や治療給付を受け取れる
【2. がん保険付きのメリット】
- がんの経済的負担に特化した保障
→ 診断直後から自由に使える一時金は特に心強い - がん通院や長期治療にも対応
→ 通院中心の治療に移行している医療現場にマッチ - 先進医療、自由診療にも備えられる
→ 公的保険外の費用にも対応できるプランあり - 精神的負担の軽減
→ 費用の心配が減ることで、治療に専念できる
【注意点】
- がん以外の病気・ケガには対応しないため、医療保険との併用が基本
- 保障内容が複雑になりやすいので、プラン設計には注意
- 保険料は医療保険よりやや高め(月額2,000〜5,000円程度)
【がん保険付きが向いている人】
- 家族にがん経験者がいて、リスクを重視したい方
- 働き盛りで治療費や収入減が生活に大きく影響する方
- 治療費や自由診療への備えをしっかりしておきたい方
- 医療保険だけでは不安を感じる方
どちらが得?判断ポイント
保険を選ぶときに、「医療保険だけでいいのか」「がん保険もつけるべきか」という悩みは非常に多く見られます。実際に保障の対象や保険料、受け取れる金額には大きな違いがあります。
ここでは、どちらを選ぶべきか判断するためのポイントを詳しくご紹介します。
【比較表:医療保険のみ vs がん保険付き】
比較項目 | 医療保険のみ | がん保険付き(追加または特約) |
---|---|---|
保険料 | 安価(1,000〜3,000円/月) | やや高め(2,000〜5,000円/月) |
対象範囲 | 幅広い病気・ケガ | がんに特化(診断・治療・通院) |
一時金の有無 | なし | 診断一時金(50〜100万円など)あり |
通院保障 | オプション扱い | 通院のみでも給付対象になるプランあり |
再発・長期治療への対応 | 制限あり(入院日数など) | 無制限・再発給付対応あり |
先進医療対応 | オプションで対応可 | 商品によって対応あり |
対応力(がんリスク) | 限定的 | 非常に高い |
【判断ポイントと解説】
1. がん家系かどうか(リスクベース)
- 家族にがん経験者が多い、または遺伝的リスクがある場合はがん保険付きが有利
- 将来の治療にかかる費用を考慮し、一時金保障のあるがん保険が安心
2. 保険料とのバランスを重視するか
- 家計に余裕が少ない場合は医療保険だけでも一定の安心感
- 無理なく継続できる範囲で最低限の保障を確保
3. 若年層・健康体かどうか
- がん発症率が低いうちは医療保険のみで開始し、必要時に追加もあり
- 将来的にがん保険を追加できる設計が望ましい
4. 働き盛りで収入への依存度が高いか
- 収入減が直ちに生活に影響する年代(30〜50代)はがん治療中の収入補填として一時金が重要
- 長期治療への備えも必須
5. 通院中心の治療に備えたいか
- 現在は「がん=入院」ではなく「がん=通院」が主流
- 医療保険ではカバーされない通院費をカバーしたい場合は、がん保険の通院給付が効果的
【実際の選び方アドバイス】
- 保険料を抑えて基本保障だけ → 医療保険
- がんのリスクが心配、診断一時金が欲しい → がん保険付き
- 広範なリスクに備えるなら → 医療保険+がん保険の併用
- 家族の医療費負担を軽くしたい → がん保険の一時金で備えるのが有効
どちらが向いているか?ケース別判断
医療保険とがん保険、どちらを選ぶべきか。それはライフスタイルや健康状態、将来への備え方によって異なります。
ここでは、代表的な6つのケースに分けて、どちらの保険が適しているかをわかりやすく解説します。
【ケース1:家族にがん経験者がいる(遺伝リスクが高い)】
- 向いている:がん保険付き
- 理由:がんの家系にある場合、発症リスクが高いため診断一時金や再発保障があると安心。
- ポイント:早期診断→即給付の流れで金銭的不安を軽減できる。
【ケース2:若年層・健康体で最低限の備えをしたい】
- 向いている:医療保険のみ
- 理由:がん発症リスクは比較的低く、保険料も最小限で済む。
- ポイント:先進医療特約だけ追加しておけば最低限の安心は確保。
【ケース3:共働きで子どもがいる30〜40代の家庭】
- 向いている:がん保険付き+医療保険の併用
- 理由:万が一の病気による収入減や治療費に備えた広範な保障が必要。
- ポイント:一時金+通院保障で長期のがん治療にも対応可能。
【ケース4:保険料をできるだけ抑えたい】
- 向いている:医療保険のみ
- 理由:がん特化型の保険は手厚い分、保険料が上がる。家計負担を優先。
- ポイント:短期入院や手術など基本医療リスクに絞った設計で対応。
【ケース5:自営業・フリーランスで収入が不安定】
- 向いている:がん保険付き(特に一時金型)
- 理由:働けなくなると収入に直結するため、診断一時金で早期の備えが有効。
- ポイント:収入保障保険と合わせて、生活費補填も検討。
【ケース6:高齢者でがん治療経験がある】
- 向いている:がん保険付き(再発対応型)
- 理由:再発の可能性が高いため、継続保障や再給付型のがん保険が有効。
- ポイント:通院治療中心の保障が重視される。
両方加入はあり?
「医療保険とがん保険、両方入った方がいいの?」という疑問は、多くの方が持つものです。
結論から言えば、両方に加入するのは非常に有効な選択肢であり、それぞれの保障の役割と補完関係を理解しておくことがポイントです。
ここでは、両方加入のメリットと、上手な設計の方法について詳しく解説します。
【1. 両方加入が「あり」とされる理由】
1.1 保障対象が異なるため役割が補完される
- 医療保険:入院・手術を中心に、幅広い病気やケガに対応
- がん保険:がんに特化し、診断一時金や通院治療、再発時の手厚い保障が可能
→ 両方持つことで、あらゆる病気に対する安心感が高まる
1.2 治療の現実に即した備えができる
- がんは入院より通院治療が主流になっており、医療保険では不十分な場合も
- 一時金で治療以外の生活費・収入減にも対応可能(特に働き盛り世代に有効)
1.3 両方加入しても保険料の調整は可能
- 医療保険は最低限の保障に絞る
- がん保険は一時金+通院のみなど、必要な部分に特化して選ぶ
- → 両方加入しても月額5,000〜8,000円程度に抑える設計も可能
【2. 両方加入する際の設計ポイント】
2.1 無駄な重複保障を避ける
- がん入院保障が医療保険と被らないよう調整
- 既に医療保険に通院保障があるなら、がん保険では一時金特化型もあり
2.2 特約の活用でコストダウン
- 医療保険にがん特約を追加すれば、単独契約よりも割安になる場合あり
- がん保険に先進医療特約をまとめて付けることで、トータルコストを抑える工夫も
【両方加入が向いている人】
- がん家系で不安を感じている方
- 子育て中・共働き家庭で収入減リスクが大きい方
- がん保険の一時金で治療以外の費用も備えたい方
- 医療保険をすでに持っており、がんだけ別に手厚くしたい方
【3. 両方加入の具体例】
- 医療保険:入院日額5,000円+先進医療特約(月2,000円程度)
- がん保険:診断一時金100万円+通院保障(月3,000円程度)
→ 合計月5,000円で、がんもそれ以外の病気も安心の保障設計が可能
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