保険に加入する際、「どの保険に入るべきか分からない」「同じように見えて違いが分からない」と迷われる方が非常に多くいらっしゃいます。
特に医療保険・がん保険・生命保険は名前が似ているうえ、保障も一部重なることがあるため、違いが不明瞭になりがちです。しかし、それぞれの保険には明確な目的と対象があり、自分に合った選び方が大切です。
医療保険とは?
病気やけがによる入院・手術・通院にかかる費用を補うための保険
主な保障内容:
- 入院給付金(1日〇〇円)
- 手術給付金(1回〇万円)
- 通院給付金
- 先進医療費の補助(特約)
特徴:
- 病気・けが全般が対象
- 保険期間は定期型(10年更新など)と終身型あり
- 一般的な備えとして加入する人が多い
がん保険とは?
がんと診断されたときの治療費・生活費への備え
主な保障内容:
- がん診断一時金(診断された時に100万円など)
- がん治療中の通院給付金
- 抗がん剤治療・放射線治療への給付
- 再発・転移にも対応(商品による)
特徴:
- がんに特化した保険
- 医療保険よりもがんへの保障が手厚い
- 診断されるだけで一時金がもらえる商品が多い
- 通院治療中心のがん医療に適している
生命保険(死亡保険)とは?
被保険者が亡くなった際に遺族にお金を残すための保険
主な保障内容:
- 死亡保険金(〇〇万円)
- 高度障害になった場合の保険金支払い
- 保険の種類により返戻金があるものも
種類:
- 定期保険(期間限定、掛け捨て型)
- 終身保険(一生涯の保障、解約返戻金あり)
- 収入保障保険(月々の生活費として分割支給)
特徴:
- 家族の生活費・教育費・ローン返済などに備える
- 結婚・出産・住宅購入時に加入するケースが多い
違いを整理すると
項目 | 医療保険 | がん保険 | 生命保険 |
---|---|---|---|
主な目的 | 病気・けがの治療費 | がん治療費・生活費 | 死亡後の遺族の生活費 |
給付のタイミング | 入院・手術のとき | がん診断や治療のとき | 死亡時・高度障害時 |
給付形式 | 日額・手術費など | 一時金・通院費など | 一括 or 月額で支給 |
対象 | 病気・けが全般 | がん限定 | 被保険者死亡時 |
優先度 | 幅広い備えに必要 | がんの家系・不安がある人向け | 扶養家族がいる人向け |
【よくある誤解】
- 「医療保険に入っていれば、がんもカバーできる」は半分正解
→ 医療保険でもがんによる入院・手術には対応できますが、通院や一時金はがん保険の方が手厚い - 「生命保険=終身保険しかない」は誤り
→ 掛け捨ての定期保険や収入保障保険も選択肢として重要です
主な目的の違い
保険を選ぶ際に最も大切なのは、「何のために加入するのか」という目的の明確化です。医療保険・がん保険・生命保険は、それぞれ保障するリスクの種類や受け取れる場面がまったく異なります。
これらの保険を混同してしまうと、必要な保障が得られなかったり、逆に不要な保険料を払い続けてしまう可能性もあるため、主な目的の違いをしっかり理解しておくことが重要です。
医療保険の主な目的:病気やけがによる治療費の自己負担を軽減する
医療保険は、病気やけがで入院や手術をした際の医療費をカバーすることが目的です。
- 突発的な入院・手術による医療費負担に備える
- 高額療養費制度でカバーしきれない部分の補填
- 病気やけがによる休業中の収入減に対する一部補助
主な給付の対象:
- 入院1日あたり〇〇円
- 手術給付金
- 通院保障(特約で追加されることが多い)
がん保険の主な目的:がん治療にかかる費用と生活費を支える
がん保険は、がんと診断されたときの経済的負担を軽減するための保険です。
- がんの診断による治療開始時の一時的な支出をカバー
- 長期にわたる通院治療や先進医療に対応する
- 就業不能状態に備えて生活費や収入減少への対策
主な給付の対象:
- がんと診断されたときの一時金(100万円など)
- 通院給付金(通院1回〇〇円)
- 抗がん剤治療や放射線治療に対する特別給付金
生命保険の主な目的:遺された家族の生活を守る
生命保険(死亡保険)は、契約者が亡くなった際に、遺族の生活資金や教育資金、住宅ローン返済などを支えるための保険です。
- 家族の生活費・教育費などを残す
- 配偶者や子どもが経済的に困らないようにする
- 住宅ローンや借金の残債を清算する
- 葬儀費用の準備や相続対策
主な給付の対象:
- 死亡保険金(〇〇万円)
- 高度障害状態になったときの保険金
主な目的を一覧で比較
保険の種類 | 主な目的 | 対象リスク | 給付のタイミング |
---|---|---|---|
医療保険 | 入院・手術などの治療費補填 | 病気・けが全般 | 入院・手術時 |
がん保険 | がん治療費と生活支援 | がんのみ | 診断・治療開始時 |
生命保険 | 遺族の生活資金確保 | 死亡・高度障害 | 被保険者死亡時 |
給付のタイミングの違い
保険に加入する際は「何が、どのような時に給付されるのか」を正確に理解することがとても重要です。
保障内容が良くても、給付のタイミングが遅かったり、想定していた場面で給付が出なかったりすると、保険の意味がなくなってしまいます。
医療保険・がん保険・生命保険では、それぞれ給付の“きっかけ”や“受け取る条件”が異なるため、違いをしっかり把握しておく必要があります。
医療保険の給付タイミング
- 入院した日から(1日以上の入院で支給されることが多い)
- 手術を受けた時
- 通院保障がある場合は、対象となる通院が発生した時
給付内容の例:
- 入院1日につき〇〇円(例:5,000円/日)
- 手術1回につき〇〇万円(種類により異なる)
- 通院1回〇〇円(オプションの特約で対応)
- 基本的に「医師の診断+治療行為」があって初めて給付対象となる
- 日帰り入院や短期入院でも給付される現代型の医療保険も多数存在
がん保険の給付タイミング
- がんと診断された時点で一時金が支給される
- がん治療のために通院・入院・手術を受けた時
- 再発や転移の診断を受けた時(商品による)
給付内容の例:
- 診断一時金(がんと診断された時に100万円など)
- 通院給付金(1回〇〇円)
- 抗がん剤治療・放射線治療への給付(特定の治療回数ごと)
- 「診断確定」がトリガーとなるため、入院しなくても給付される
- 通院治療が中心となる現在のがん医療にマッチした設計が多い
- 一時金があることで、治療開始時の経済的備えになる
生命保険(死亡保険)の給付タイミング
- 被保険者が亡くなった時
- 高度障害状態になった時(特約による)
給付内容の例:
- 死亡保険金(例:1,000万円)
- 高度障害保険金(両目の視力を失うなど)
- 生存中は給付されない(※終身保険の解約返戻金などは別)
- 給付金は遺族が受け取る
- 家族の生活資金、教育資金、葬儀費用などに充てられる
給付タイミングの違いを比較表で整理
保険の種類 | 給付のタイミング | 給付の種類 | 受取人 |
---|---|---|---|
医療保険 | 入院・手術時 | 入院給付金・手術給付金など | 本人 |
がん保険 | がんと診断された時・治療時 | 診断一時金・通院給付など | 本人 |
生命保険 | 死亡・高度障害時 | 死亡保険金・障害保険金 | 遺族・指定された受取人 |
【よくある誤解と注意点】
- 「医療保険に入っていれば、がん診断一時金ももらえる」は誤り
→ 医療保険にはがん診断一時金は含まれていないことが多い。がん保険特有の保障 - 「死亡したらすぐに生命保険金が支払われる」と思いがち
→ 保険会社による審査や書類確認が必要なため、支払いまでに時間がかかる場合あり
給付形式の違い
保険選びにおいて、“給付形式”=どうやってお金を受け取れるかという点は非常に重要です。同じように見える保険でも、給付のされ方が異なることで、使い勝手や安心感が大きく変わります。
医療保険、がん保険、生命保険では、それぞれ給付の形式が異なり、自分の生活やリスクに合った形式を選ぶことが、賢い保険設計に直結します。
医療保険の給付形式:実費型ではなく定額型
- 入院日数や手術の回数に応じて、定額で支払われる
例:
- 入院1日につき5,000円 × 10日=5万円
- 手術1回につき10万円(手術の種類による)
特徴:
- 医療費の実費ではなく、あらかじめ決まった金額が支払われる
- 実際の医療費が安くても給付金は受け取れる
- 高額療養費制度がある日本では、実際の自己負担より多く給付されることもある
がん保険の給付形式:一時金型・通院型など柔軟な形式が多い
- 診断時にまとまった一時金が支払われる
- 通院や特定の治療ごとに定額給付がある
例:
- がんと診断されたら100万円を一括で受け取り
- 通院1回ごとに5,000円支給
- 抗がん剤治療を受けたら1回につき10万円給付(上限あり)
特徴:
- まとまった費用が早期に受け取れるため、経済的不安が軽減
- 入院しなくても給付されることが多い
- 治療費・交通費・生活費など、使い道は自由
生命保険の給付形式:一括型・年金型・分割型などがある
- 死亡時に保険金を一括で支払うのが基本
- 最近は、「収入保障保険」などの形で分割支給される形式も増加
例:
- 死亡保険金1,000万円を一括で遺族へ支給
- 月々10万円ずつ20年間支給(総額2,400万円)
特徴:
- 一括給付は葬儀費用・住宅ローン清算・教育資金などに活用できる
- 分割型(収入保障)は、生活費として毎月の支援になる
- 家族の資金管理能力に応じて受取方法を選べるのが利点
給付形式の違いまとめ表
保険の種類 | 主な給付形式 | 給付のタイミング | 使用目的の自由度 |
---|---|---|---|
医療保険 | 日額給付、手術給付 | 入院・手術時 | 一部自由(医療費補填前提) |
がん保険 | 一時金、通院給付、治療別給付 | 診断・治療時 | 高い(治療費・生活費に) |
生命保険 | 一括給付、分割給付(収入保障) | 死亡・高度障害時 | 非常に高い(遺族が自由に使用) |
よくある誤解
- 「医療保険は入院費を全額カバーしてくれる」は誤解
→ 実費ではなく、決まった日額給付が原則 - 「がん保険は入院しないと給付されない」は古い情報
→ 診断時に一時金を受け取れるタイプが主流 - 「生命保険は一括でしかもらえない」は半分正解
→ 分割形式(収入保障型)も選べる商品がある
対象の違い
保険を検討する際には、“どのようなリスク(出来事)に対して保険が機能するか”、つまり「対象」が何であるかを明確に理解しておくことが重要です。
同じ“病気やけがに備える保険”であっても、保険の種類によって対象となるリスクや条件が大きく異なります。
ここでは、医療保険・がん保険・生命保険が“何を対象としている保険か”を比較しながら解説いたします。
医療保険の対象:病気・けが全般
- 一般的な病気(肺炎、胃潰瘍、糖尿病、高血圧など)
- 急性疾患(盲腸、心筋梗塞、脳梗塞など)
- 骨折・ねんざ・事故による外傷などのけが
給付が出るケース:
- 入院や手術を伴う治療があった場合
- 特約を付けることで、通院や先進医療、女性特有の病気なども対象に含めることができる
対象外になることも:
- 美容整形や自由診療
- 持病がある場合、契約条件によっては対象外になることもある
がん保険の対象:がん(悪性新生物)に限定
- がん(悪性新生物)
- 上皮内新生物(初期のがん)※一部商品では保障対象外または減額
給付が出るケース:
- がんと診断された時点で一時金が支払われる
- 抗がん剤・放射線治療、入院・通院などが対象となる
- 再発・転移・長期治療への給付が充実しているものが多い
対象外:
- その他の病気(心臓病、脳卒中、糖尿病など)には一切給付されない
- けがによる入院なども対象外
生命保険(死亡保険)の対象:死亡・高度障害
- 被保険者の死亡
- 高度障害(両目の失明、両手足の喪失など)※商品により定義は異なる
給付が出るケース:
- 病気や事故、老衰などで被保険者が死亡した場合
- 保険期間中に高度障害状態になった場合
対象外になるケース:
- 自殺(加入後2年以内の場合は不支給が一般的)
- 保険金詐欺目的などの不正行為
対象の違いを比較表で整理
保険の種類 | 対象となる出来事 | 給付の有無 | 備えるべき人 |
---|---|---|---|
医療保険 | 病気・けが全般 | 入院・手術・一部通院など | 誰でも(基礎的な保障) |
がん保険 | がんのみ(悪性新生物) | 診断・治療・通院など | がん家系・不安がある人 |
生命保険 | 死亡・高度障害 | 死亡保険金が遺族に支給 | 扶養家族がいる人向け |
【よくある誤解と注意点】
- 「医療保険に入っていればがんも安心」
→ がんも保障対象だが、給付内容は限られる(診断一時金は含まれないことが多い) - 「がん保険があれば他の病気もカバーできる」
→ がん以外は一切対象外なので、医療保険と併用が基本 - 「生命保険は年を取っても入っておいた方がいい」
→ 扶養家族がいない・老後資金が十分な場合は不要になることもある
優先度の違い
保険に加入する際、多くの方が「何から入るべきか」「どれが一番重要なのか」と迷います。
特に医療保険・がん保険・生命保険は、それぞれ必要な目的や保障対象が異なるため、加入の優先度はライフステージや家族構成、健康状態によって変わります。
すべてに入ることが理想ですが、保険料とのバランスを考えると、まずは優先度の高いものから段階的に備えるのが現実的です。
医療保険の優先度:基本的な備えとして優先度は高め
理由:
- 病気やけがは誰にでも起こる可能性があるリスク
- 入院や手術は突然発生し、数十万円の出費が必要になることも
- 高額療養費制度があるとはいえ、差額ベッド代や雑費は自己負担
特に優先すべき人:
- 独身者、共働き世帯、自営業など、自分の医療費を自分でカバーする必要がある人
- 若くても不測の入院に備えたい人
優先度:高
→ 「まずは医療保険から」が基本の選び方です。
がん保険の優先度:家族歴や不安があるなら中〜高
理由:
- 日本人の2人に1人ががんになる時代
- 治療が長期化・高額化しやすい(抗がん剤、通院治療、先進医療など)
- 医療保険だけではがん特有の費用をカバーしきれないことも
特に優先すべき人:
- 家族にがんの罹患歴がある
- 精神的・経済的にがんへの不安が大きい
- 若いうちにがん診断一時金を備えておきたい人
優先度:中〜高
→ 医療保険に加えて、がん特化型の保険を追加する選択肢として有効です。
生命保険(死亡保険)の優先度:扶養家族がいるなら最優先
理由:
- 万が一のとき、遺された家族の生活費や教育費を支える役割
- 一家の大黒柱が亡くなると、数千万単位の経済的損失になる可能性
- 配偶者や子どもがいれば、備えておくことが絶対に必要
特に優先すべき人:
- 配偶者・子どもを扶養している
- 住宅ローンがあり、収入の中心を担っている
- 子どもの学費を将来にわたって準備したい人
優先度:非常に高(扶養があれば最優先)
→ 「家族がいる=生命保険は必須」です。
優先度の目安まとめ表
保険の種類 | 優先度 | 対象となるリスク | 優先すべき人 |
---|---|---|---|
医療保険 | 高 | 病気・けが | すべての人(基礎的保障) |
がん保険 | 中〜高 | がん | がんへの不安がある人 |
生命保険 | 非常に高(家族がいれば) | 死亡・高度障害 | 扶養家族がいる人 |
【よくある誤解と注意点】
- 「がん保険だけ入っておけば安心」は不十分
→ 他の病気やけがには対応していない - 「生命保険は年齢が上がってからでいい」は誤り
→ 若いうちの方が保険料が安く、長期保障に有利 - 「保険料が高いから医療保険だけでいい」は危険
→ 家族を守るためには、死亡保障も忘れずに
- 保険のトータルプロフェッショナル
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