年金だけでは足りないと言われる老後資金。不安なく老後を迎えるためには、現役世代のうちから着実に備えることが大切です。
そこで注目されるのが、貯蓄性を兼ね備えた生命保険。ここでは、老後資金確保に向いた保険商品を比較し、ライフスタイルに合った選び方をご紹介します。
【老後資金に向いた保険の代表的なタイプ】
1. 終身保険(貯蓄型)
2. 個人年金保険(老後受取型)
3. 養老保険(満期金受け取り型)
4. 外貨建て保険(運用重視型)
【比較表:老後資金確保向け保険タイプ】
保険タイプ | 死亡保障 | 解約返戻金 | 年金受取 | 相続対策 | 運用性 |
---|---|---|---|---|---|
終身保険 | あり(終身) | 高い(長期保有) | × | ◎ | 中程度 |
個人年金保険 | × | △(一時金あり) | ◎ | △ | 中〜高 |
養老保険 | あり(満期まで) | ◎(満期受取) | △(一時金) | ○ | 低〜中 |
外貨建て保険 | あり(商品による) | 高いが変動 | △ | ○ | 高い(為替リスクあり) |
- 安全重視なら → 終身保険・養老保険
- 節税しながら年金づくり → 個人年金保険
- 利回りを重視 → 外貨建て保険(要リスク管理)
- 死亡保障も兼ねたい → 終身保険で老後資金兼ねる設計を
終身保険(貯蓄型)
「老後資金も準備したいし、家族にも保障を残したい」。そんな希望をかなえるのが、終身保険(貯蓄型)です。
終身保険は、一生涯の死亡保障とともに、資産としての価値も持つ保険です。ここでは、終身保険の基本から、どんな方に向いているか、活用方法まで詳しくご紹介します。
【1. 終身保険(貯蓄型)とは?】
- 被保険者が亡くなるまで一生涯の死亡保障が継続
- 保険料を払い終えた後も、保障が生涯続く
- 一定期間後に解約すると「解約返戻金」が戻ってくる
- 多くの商品で、貯蓄性(返戻率)が高く設計されている
【2. 終身保険の主な活用目的】
① 老後資金としての活用
- 60〜70代で解約すれば、解約返戻金をまとまった現金として受け取れる
- 公的年金にプラスして使える「自分年金」として設計可能
② 相続対策としての活用
- 死亡保険金には**「500万円×法定相続人の数」まで非課税**のメリットあり
- 相続税対策や、遺産分割対策としても利用価値が高い
③ 万が一の保障としての活用
- 家族に確実に死亡保険金を遺すことができる
- 定年後も保障が継続するため、葬儀費用や残された家族の生活費確保に最適
【終身保険のメリット】
- 一生涯の保障がある
- 解約返戻金があるため、途中で資金化可能
- 資産として家族に遺せる(相続非課税枠も有効)
- 若いうちに加入すると保険料が安く、返戻率も高くなる
【終身保険のデメリット】
- 保険料が割高
→ 掛け捨て型と比べて月額保険料が高く設定される - 短期で解約すると元本割れ
→ 一定期間(10年〜20年)は持ち続けないと損になる
【3. 終身保険の選び方】
チェックポイント | 内容 |
---|---|
保険料払込期間 | 10年払・15年払・60歳払済など。短期払込は月額が高いが返戻率が良い |
解約返戻金のピーク | いつが「お得な解約時期」かを確認(老後資金にする場合は重要) |
死亡保険金の金額 | 相続対策で使うなら非課税枠内(500万円×法定相続人の数)を意識 |
保険会社の信頼性 | 長期間の契約になるため、安定性の高い保険会社を選ぶ |
個人年金保険(老後受取型)
年金だけでは不安な老後の生活。そんなときに頼りになるのが「個人年金保険」です。これは、現役時代に保険料を積み立てておき、60歳や65歳以降に定期的な年金として受け取れる仕組みの保険です。
ここでは、その内容と活用方法を詳しくご紹介します。
【1. 個人年金保険(老後受取型)とは?】
- 一定期間保険料を支払い、60歳・65歳以降に「年金形式」で受け取る保険
- 公的年金を補う**「自分年金」**として利用
- 契約時に「年金受取期間」や「受取方法(終身型/有期型)」を選択できる
【2. 主な種類と仕組み】
終身年金型:
- 生存中ずっと年金を受け取れる
- 長生きするほど受取総額が多くなる
有期年金型:
- 例:10年・15年など、決まった年数だけ年金が支給
- 早期に亡くなっても、遺族が残りの年金を受け取れる商品もあり
確定年金型:
- 契約で定めた期間(10年など)は必ず支給
- 被保険者が死亡しても、相続人に年金が継続支給される
【個人年金保険のメリット】
- 老後の生活資金を確実に準備できる
→ まとまった一時金ではなく、定期的に年金形式で受け取れる安心感 - 税制優遇あり(個人年金保険料控除)
→ 年末調整や確定申告で最大年間4万円までの所得控除 - インフレ対策の一部として活用可
→ 一部の商品では、年金額が毎年増加するタイプも
【デメリット・注意点】
- 早期に解約すると元本割れのリスクあり
→ 一定期間は解約返戻金が少ない - 受け取る年金は雑所得として課税対象
→ 所得がある方は税負担に注意(公的年金等控除の活用を) - 物価上昇に対応しにくい場合あり
→ 「定額給付型」は実質価値が目減りする可能性あり
【3. 選び方のポイント】
比較項目 | チェックポイント |
---|---|
受取開始年齢 | 60歳・65歳が一般的。早めに受け取りたいか? |
年金受取期間 | 終身か、有期(10年など)か。ライフプランに応じて選ぶ |
保険料払込方法 | 月払・年払・一時払(まとめて支払う)から選べる |
返戻率 | 支払額に対してどれだけ戻るか。110〜120%を目安に比較 |
税制適用条件 | 個人年金保険料控除対象かを必ず確認(契約形態に条件あり) |
【4. 向いている人】
- 年金の受取額に不安がある自営業・フリーランスの方
- 定年後に一定の生活費を毎月確保したい方
- 退職金などを安全に分散して運用したい方
- 年末調整・確定申告で節税したいサラリーマン
養老保険(満期金受け取り型)
「一定期間、万が一の保障を持ちながら、満期にはお金が返ってくる保険が欲しい」。そんな希望に応えるのが養老保険です。
保障と貯蓄のバランスが良く、老後資金や教育資金、住宅資金の準備にも活用されています。
ここでは、養老保険の特徴や活用法、注意点を詳しくご紹介します。
【1. 養老保険(満期金受け取り型)とは?】
- 保険期間中に死亡した場合:死亡保険金が支払われる
- 保険期間満了まで生存していた場合:満期保険金(=死亡保険金と同額)が支払われる
- 「生死を問わず一定の金額が保障される」保険
【2. 養老保険の特徴】
- 一定期間の「保障」と「貯蓄」の両方がセット
- 満期金を確実に受け取れる
- 解約返戻金も設定されているが、早期解約は元本割れリスクあり
【養老保険のメリット】
① 満期金で老後資金や教育資金が確実に準備できる
- 満期時にまとまった金額が戻ってくるので、使い道を計画的に設定しやすい
- 住宅資金・子どもの進学費・退職後の生活費などに活用
② 万が一の保障も確保できる
- 死亡保険金がついているため、家族への備えにもなる
- 保険期間中に亡くなっても、家族が満期金と同額の死亡保険金を受け取れる
③ 強制的な貯蓄ができる
- 保険料を積み立てる形式なので、自分で貯金が苦手な人にもおすすめ
【養老保険のデメリット】
- 保険料が比較的高め(死亡保障+貯蓄性のため)
- 途中解約では返戻金が少ない、元本割れに注意
- 返戻率は終身保険や外貨建て保険と比べてやや低めのこともある
【3. 養老保険が向いている人】
- 「○年後に使う資金」が明確にある(例:60歳で定年退職)
- 保険と貯蓄を一体化して管理したい
- 元本保証で、リスクの少ない運用方法を選びたい
- 万一の備えも欲しいが、保険金の受け取りタイミングも重視したい
【4. 養老保険と他の貯蓄型保険との比較】
保険タイプ | 死亡保障 | 満期金 | 解約返戻金 | リスク |
---|---|---|---|---|
養老保険 | あり(満期金と同額) | あり(確実) | 高い(契約満了時) | 低(元本保証) |
終身保険 | あり(終身) | なし(満期なし) | 高い(長期で上昇) | 低〜中 |
個人年金保険 | なし | 年金形式 | 低〜中 | 中(受取額が変動) |
外貨建て保険(運用重視型)
超低金利時代の今、円建て保険では資産がなかなか増えにくいと感じる方も多いでしょう。そんな中で注目されているのが「外貨建て保険」です。
米ドルや豪ドルなどの外貨で保険料を支払・受け取りすることで、高い運用利回りを狙える一方、為替変動によるリスクも伴います。ここではその特徴や向いている人、注意点を詳しくご紹介します。
【1. 外貨建て保険とは?】
- 保険料の支払いや保険金・解約返戻金の受け取りを、米ドルや豪ドルなどの外貨で行う保険
- 終身保険・個人年金保険・養老保険などの商品タイプあり
- 外貨ベースでの利率は円建てより高めに設定されている
【2. 外貨建て保険の主なタイプ】
終身保険型(米ドル建てが主流)
- 死亡保障+解約返戻金がある
- 相続対策・資産運用の両面で活用される
個人年金保険型
- 保険料を積み立て、60歳・65歳以降に年金形式で受け取る
- 米ドルベースでの年金収入を得られる可能性あり
養老保険型(外貨建て)
- 一定期間後に満期金として一括受取できる
- 満期日が明確な資金目的に向く
【外貨建て保険のメリット】
- 高い返戻率が期待できる
→ 米ドルでの予定利率が3〜5%前後と、円建て(0.5〜1%)に比べて有利 - 資産分散ができる
→ 円だけでなく、外貨資産を持つことでインフレリスク対策にも - 計画的な資産形成が可能
→ 老後資金、教育資金、相続準備など多目的に活用できる
【外貨建て保険のデメリット・リスク】
- 為替リスクがある
→ 受取時に円安なら得、円高なら損となる可能性あり - 為替手数料がかかる
→ 円⇔ドルの両替時に手数料が発生(1ドルあたり25銭前後が一般的) - 途中解約は元本割れのリスクが高い
→ 特に加入後5年以内は返戻率が低い商品も - 日本円ベースでの保証がない
→ 受取額が外貨建てのままだと、日本円でどのくらいになるか不透明
【3. 外貨建て保険が向いている人】
- 資産を増やしたいが、大きなリスクは取りたくない
→ 預貯金以上、株式投資未満の中リスク資産として適切 - 老後資金・相続資金など、運用期間が長期の方
→ 10年以上運用を前提とした計画で返戻率が高まる - 為替に関心があり、リスクを理解している方
→ 円高・円安のタイミングを意識して活用できる
【4. 賢く使うポイント】
ポイント | 内容 |
---|---|
為替タイミングの分散 | 一括払いより、積立型(月払い)で為替変動リスクを軽減 |
一部円建てで受け取る | 円で受け取れるプランや円換算保証付の商品を選ぶ |
払込期間を短く | 10年払などにして、老後前に保険料負担を終わらせる |
- 保険のトータルプロフェッショナル
家計診断、保険の見直しや長期の貯蓄計画、住宅購入や住宅ローンアドバイス、節税アドバイスなどを厳格な基準をクリアしたトップレベルの厳選されたマネーのプロフェッショナルが複数社比較して「保障が充実し、且つ保険料が割安」を提案してくれます - みんなの生命保険アドバイザー
オンライン保険相談にも対応し訪問相談は全国対応。 複数の保険メーカーを取り扱う事ができる優秀なFPのみしかいないので安心して相談でき、すでに過去利用者数50万人以上の実績ある保険相談