三大疾病 vs 七大疾病カバー｜どちらを選ぶべき？

生命保険の中でも、疾病保障は万が一の病気に備える上で重要な要素です。特に「三大疾病（がん・急性心筋梗塞・脳卒中）」と「七大疾病（上記3つに高血圧性疾患・糖尿病・腎疾患・肝疾患を加えたもの）」は注目される保障範囲です。

どちらを選ぶべきかは、生活環境や将来のリスクへの備え方によって変わってきます。

三大疾病保障の特徴

三大疾病保障は、生命保険や医療保険の中でも特に人気が高い保障内容の一つです。対象となる「がん・急性心筋梗塞・脳卒中」は、日本人の三大死因でもあり、多くの人が備えるべきリスクとされています。

ここでは、その保障の内容や特長について詳しく見ていきます。

【三大疾病保障の主な特徴】

1. 保障対象となる疾病

   • がん（悪性新生物）
   • 急性心筋梗塞
   • 脳卒中（脳出血、くも膜下出血などを含む）

2. 給付形式

   • 一時金としてまとまった金額が支払われるタイプが主流
   • 診断確定時点で給付されるものが多く、治療費や収入減の補填に役立つ

3. 保険料の傾向

   • 七大疾病保障より保険料が安価で、加入しやすい
   • 年齢や保障額によって異なるが、手頃なプランが多い

4. 保障内容の柔軟性

   • 一部商品では、死亡保障や解約返戻金がある「貯蓄型」が選べる
   • 定期型・終身型の選択が可能で、ライフステージに応じた設計ができる

5. 再発時・複数回給付の対応

   • 商品によっては、再発や複数回給付に対応した「回数無制限型」「所定期間経過後再給付型」なども存在
   • がん治療の長期化や複数の疾病への備えとして有効

6. 特約の活用

   • 医療保険や死亡保険に特約として付加することも可能
   • 三大疾病以外の入院や通院治療に備えるための追加保障と組み合わせやすい

【留意点】

• 保障が三つの疾病に限定されているため、生活習慣病全般には対応しきれない
• 診断基準や給付条件が保険会社によって異なるため、内容をよく確認する必要がある

七大疾病保障の特徴

七大疾病保障は、三大疾病（がん・急性心筋梗塞・脳卒中）に加えて、現代人がかかりやすい生活習慣病を対象に含めた保障です。

医療の進歩により長期間の治療が必要とされる疾患も多く、収入減や医療費の支出に備える手段として注目されています。ここではその特徴を詳しく見ていきます。

【七大疾病保障の主な特徴】

1. 保障対象となる疾病

   • がん（悪性新生物）
   • 急性心筋梗塞
   • 脳卒中
   • 高血圧性疾患（高血圧による合併症を含む）
   • 糖尿病（合併症を含むことが多い）
   • 腎疾患（慢性腎不全、透析など）
   • 肝疾患（肝硬変、慢性肝炎など）

2. 給付形式

   • 一時金支給型が主流だが、商品によっては月額給付型も存在
   • 長期治療・入院・通院が必要な疾病に適した支援が可能

3. 保障の幅広さ

   • 三大疾病だけでなく、生活習慣病全般をカバーするため、将来的な不安に幅広く対応
   • 中年期以降の発症リスクが高い病気に備えるのに適している

4. 保険料の傾向

   • 三大疾病保障に比べて保障範囲が広いため、保険料はやや高め
   • 保障内容が充実している分、長期的には費用対効果が高いとされるケースも

5. 医療保険や他保障との連携

   • 特約として医療保険に付加するケースも多い
   • 終身保障型・定期保障型の両方があり、目的に応じて選択可能

6. 再発・長期対応

   • 慢性疾患や再発リスクの高い病気にも対応しやすい
   • 長期療養や継続通院を想定した設計の商品もある

【留意点】

• 保険料が三大疾病保障よりも高くなる傾向がある
• 給付条件や疾病の範囲は商品によって異なるため、内容確認が重要
• 死亡保障や貯蓄性は基本的に含まれていない（必要なら別途加入が必要）

比較ポイント

生命保険での疾病保障を選ぶ際に、「三大疾病保障」と「七大疾病保障」のどちらを選ぶべきか悩む方は多いでしょう。ここでは、両者の違いを明確にし、それぞれの特徴を比較しやすく整理しました。自分に合った保障を選ぶ参考にしてください。

【三大疾病保障と七大疾病保障の比較表】

比較項目	三大疾病保障	七大疾病保障
対象となる疾病	がん、急性心筋梗塞、脳卒中	三大疾病 ＋ 高血圧性疾患、糖尿病、腎疾患、肝疾患
保障範囲	重篤な急性疾患に限定	幅広い生活習慣病もカバー
保険料水準	比較的安価（保障範囲が絞られているため）	やや高め（保障範囲が広いため）
一時金給付	多くの商品が一時金給付型で高額給付が可能	一時金給付＋月給付型の商品も多く選択肢が広い
通院・長期治療対応	通院給付は特約で対応可能（基本は入院・手術が中心）	通院・長期療養対応の設計が多く、慢性疾患に強い
死亡保障との連携	終身型や貯蓄型の商品があり、死亡保障との一体型も選べる	一般的には医療保障中心で、死亡保障は別契約が必要
再発・複数回給付	対応商品が増加中。所定期間経過後の再給付型もある	慢性疾患に対応しやすい設計が多く、長期療養に有利
医療保険との相性	医療保険や死亡保険に特約として付加しやすい	医療保険との組み合わせで通院支援や生活費補填が可能

選び方のポイント

生命保険の疾病保障を選ぶ際には、保険料・保障範囲・給付の仕組みなど、いくつかの観点から自分に合った保障を検討することが重要です。

ここでは「三大疾病保障」と「七大疾病保障」それぞれがどのような人に向いているかを、生活スタイルや健康状態、将来設計に基づいて解説します。

【三大疾病保障が向いている人】

1. 重篤な疾患に限定して効率的に備えたい人

   • 「がん・心筋梗塞・脳卒中」は死亡原因や高額治療の原因の上位を占めており、最も重要なリスクに集中して備えることができます。

2. 保険料を抑えたい人

   • 保障範囲が限定されているため、比較的保険料が安価。若年層や保険料を最小限にしたい人に適しています。

3. 死亡保障や貯蓄性も重視する人

   • 終身型や貯蓄型の商品も多く、資産形成や相続対策と組み合わせたい方に向いています。

4. 他の保険と組み合わせて保障バランスを整えたい人

   • 医療保険や死亡保険に特約で三大疾病保障を追加し、コストを抑えつつ保障範囲を広げたい方に有効です。

【七大疾病保障が向いている人】

1. 生活習慣病のリスクが高い人

   • 高血圧・糖尿病・腎臓・肝臓の疾患に不安がある、または家族歴がある方には、七大疾病保障が心強い備えになります。

2. 長期的な治療や通院支援を重視する人

   • 七大疾病には慢性疾患が多く、長期治療に対応した給付設計の商品が多いため、継続治療を見据えて備えたい方に適しています。

3. 収入減や生活費補填への不安がある人

   • 一時金のほか、月給付型の保障もあるため、就業不能や通院による収入減少への備えとして有効です。

4. 中高年層以降でより広いリスクに備えたい人

   • 年齢が上がるにつれ生活習慣病のリスクも高まるため、保障範囲が広い七大疾病は安心材料となります。